ApparelX事業部の董です。
今回は有楽町で開催されているベンベルグ®裏地ミュージアム+に行ってきましたので、ベンベルグ®裏地ミュージアム+に対する感想と、ベンベルグはどんな特徴がある裏地なのかなどを紹介していきたいと思います。
そもそもベンベルグという言葉は聞いたことありますか?
アパレルに携わる人ならそんなの当たり前に知っているという方も多いと思いますが、私も以前、裏地でベンベルグ・キュプラなど何がどう違うのかが良くわかりませんでした。
というと、「コットンから生まれた再生セルロース繊維”キュプラ”のブランド名」です。
ですので、キュプラ100%=ベンベルグ100%という事になります。
そして、現在は世界で旭化成のみが製造している素材になります。
ベンベルグ®裏地ミュージアム+は、服飾関係者向けの施設として2014年に神保町に開館。旭化成の事務所移転にともない、2018年11月に東京ミッドタウン日比谷にリニューアルオープンしました。
同館では、延岡ベンベルグ®工場で実際に使用している紡糸機と巻き取り機を使用した素材や生産背景の紹介や、ベンベルグの裏地を採用したデザイナーズブランドのアイテムの展示などを行っています。
残念ながらベンベルグ®裏地ミュージアム+は2022年8月31までをもって閉館しますが、閉館する前にギリギリ参観しました。とてもラッキーです〜〜〜
VR版のベンベルグ裏地ミュージアム+は、引き続き営業を続けるといいます。
ベンベルグ®の原料は、綿実油を作る時の副産物であるコットンリンター です。
コットンリンターは綿花を採取した後の種子に残る繊維原料 綿花を採取した後の種子の表面に付いて残っている、長さ2~6ミリの毛羽状繊維です。 キュプラや木材パルプに代わる紙の原料などとして使われます。
原料は天然由来の為、ベンベルグ®は土に埋めると、自然の働きによって生分解し、土壌に害を及ぼすことなく土に還り堆肥化します。
ベンベルグ®裏地は目にはみえない極めて小さな水分の通り道から、素早く湿気を吸い取りはきだす為、肌とともに呼吸する裏地といいます。
ポリエステル繊維と比べると、何か違うかというと、結晶構造が違っています。下記の写真をご参照ください。
ベンベルグ®の公定水分率は約11%です。その為、摩擦によって起きた静電気を空気に逃がします。
ベンベルグ®は繊維の断面が真円に近く、表面もなまらかの為、摩擦が生じにくく、体の動きをスムーズにします。
(旭化成のサイトから引用https://www.asahi-kasei.co.jp/fibers/bemberg/sustainability/resource/)
旭化成は使っている原料コットンリンターの一部は、インドから輸入しています。そのインドのコットンビジネスの副産物を旭化成の技術によって、インドの民族衣装「サリー」などの用途の糸として売っています。このように、インドでも伝統的な衣装を快適に生まれ変わらせることで、着る機会が増え、新しい形で伝統を守るのに役立っています。このところはは感心しております。
ApparelXではベンベルグ®裏地を販売していります。ぜひ見てみてください。
今回のきっかけで、ベンベルグ®の知識だけではなく、裏地の知識や繊維知識等いろいろと勉強になりました。
閉館する前に参観できてよかったと思っております。
閉館する事はとても残念ですが、VR版のベンベルグ裏地ミュージアム+は引き続きますので、ぜひご利用してみてください。
BTW、帰った前におじさんと握手できました。