こんにちは、ApaarelXの董です。
昨年、海外のオーダーを担当してから、海外でとても注目されている生地があることに気づきました。
ベンタイルの防水生地です。
今日はventileの由来と注目されている理由等を紹介したいと思います。
防水生地といえば、GORE-TEXが非常に優れていることはよく知られています。
しかし、GORE-TEXが普及する前には、ベンタイルのような 古い防水生地がたくさんありました。
実際、防水機能を比較すると、GORE-TEXほどの機能はありませんが、市場から淘汰されずに生き残っているのには理由があります。
多くのベテランからのベンタイルの紹介を読んで、私はこの生地に尊敬の念を抱いています。
これを発明した人は、繊維の特性や生地の織り方などを熟知した織物の専門家だと思っております。
初期のVentileの生地は、100%エジプトの長繊維綿のコットン糸を使用し、高番手、低撚りで織られており、非常に丈夫です。
この厳しい条件を満たすことができる綿のは、わずか数パーセントだけです。
また、従来の生地に比べて30%多くの糸を使用しています。 ベンタイルの防水原理は、空気が乾燥しているときは、縦糸と横糸の隙間が約10ミクロンで通気性があります。
衣服が濡れると、糸が膨張して縦糸と横糸の隙間が3~4ミクロンに収縮し、雨水が浸透し続けるのを効果的に防ぐことができます。
単なる布地ではなく、歴史的な意味合いを含んでいます。
イギリスのランカシャー州、ダルボットウィービング社が軍事用に展開したのがベンタイルの始まりです。
超極細の綿糸を限界まで打ち込み、織り密度を限界以上に上げて織った高密度の綿生地のことをベンタイルといいます。
当時、海の上の空中線にて戦闘機が撃ち落とされ、パイロットが海に落ちてしまったとき、防水、防寒の生地などなく、救出までの時間寒さに耐えることはとても厳しいことでした。
そこで打ち込みを強く、高密度に織られた綿生地、ベンタイルが誕生しました。
高密度に織られたベンタイルは水を弾き、パイロットの命を守りました。
いろいろな高機能素材が開発された今でもなお軍服に使用されているほど、超!有能素材です。
この生地に込められたストーリーに感銘を受け、今日まで使い続けているブランドも多いと思っております。
例えば、Nigel Cabournの創始者であるNigel Cabournは、Ventileの生地を好んで使用しています。
彼はConverseのコラボレーションと自身のブランどでも、Ventileの生地を使用した事があります。
きっとこの古布の質感や重さが彼の好みたと思っています。
OS2300 ベンタイル 40/2 ギャバ やや厚手でハリ、弾力がある素材。 程よい光沢とシャリっとした質感が特徴です。
OS2301 ベンタイル 60/2 ギャバ OS2300と比べると薄手ですが、織りが密なためゆるっとした印象はなく、しっかりした生地感です。 OS2300と同様、光沢がとても綺麗です。
OS2302 ベンタイル 40/2 ウェザー
上記2つのギャバのものと比べると、マットな印象です。
程よい光沢はありますが、しっかりとハリ、硬さのある落ち着いた印象の素材です。
OS2303 ベンタイル 60/2 ウェザー
シャリっとしたやや薄手の生地感で、生地表面少しの光沢はありますが、マットめな雰囲気です。
OS2302と比べると、サラッとしていて表面の凹凸が少なくどちらかというと柔らかめです。