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2025/4/18

世界では常識!?PFAS(ピーファス)規制とPFASフリー生地について

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こんにちは。トレンドブログの木村です。

今回は日本ではまだまだ認知が高いとはいえない"PFAS" とは何か、その特徴とPFAS フリー生地に移行している経緯について説明します。 



 PFAS(ピーファス)とは? 

PFAS = Per- and Polyfluoroalkyl Substances(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)の略称で、有機フッ素化合物の総称です。

これらの化学物質は、耐熱性・耐水性・耐油性に優れ、布地を含むさまざまな日用品や工業製品に使用されてきました。


🧪 PFAS生地の特徴 

PFASで処理された生地には、以下のような優れた性能があります

✅ 撥水性(はっすいせい): 水をしっかり弾くため、雨や水しぶきから衣類やバッグを守ってくれます 。

✅ 撥油性(はつゆせい): 水だけでなく、油や汚れも弾く性能があります。食べこぼしや油ジミにも強いです。 

✅ 耐久性 : 摩擦や洗濯にも強く、効果が長持ちするのが特徴です。 

✅ 耐薬品性 : 化学薬品に対しても強く、過酷な環境下でも性能を維持できる素材です。


🧥 PFAS生地が使われている主な製品 

以下のような製品によく使われています

 ▶ アウトドアウェア レインジャケット 登山用パンツ スノーボードウェア (→ 雨や雪、泥などの自然環境に強い) 

 ▶ スポーツウェア ランニングジャケット トレーニングウェア (→ 汗や汚れに強く、洗濯にも耐える)

 ▶ インテリア用品 カーペット ソファの張り地 カーテン (→ 飲み物のこぼれや汚れ防止)

 ▶ 生活雑貨 撥水バッグやエコバッグ 撥水エプロン 防水シーツやマットレスカバー



🌍 でも、なぜ今PFASが問題に?

便利な一方で、PFASは環境に残りやすく分解されにくいため「永遠の化学物質(Forever Chemicals)」として知られています。

これらは人間や動物の体内に 蓄積されるリスクがあるとして、現在は世界的に使用制限や代替品への移行が進められています。  

❗️アメリカ合衆国のカリフォルニア州とニューヨーク州は、2025年1月時点でPFASを含む生地の販売を禁止しています。



🌱 PFASフリー生地の特徴 

PFASを使わずに、環境や人体への影響を抑えながら撥水・防汚機能を持たせた生地です。

最近はサステナビリティ意識の高まりから、各メーカーが積極的に開発・導入しています。 

 ✅ 環境に優しい PFASを含まず、自然分解性がある、または体内に蓄積されにくい成分が使われています。 

 ✅ 安全性が高い 健康リスクが低いとされる原料を使用しており、欧州(REACH)や米国(EPA)などの規制にも対応。 

 ✅ 撥水性はやや控えめ 従来のPFAS生地(特にC8処理)に比べると、撥水性や撥油性はやや劣ることがありますが、用途に応じて十分な性能を発揮します。 



 🧵 よく使われる代替技術・素材 

🌿 C0撥水加工 PFASを一切使用しない処理方法。 主に植物由来やシリコン系の成分を使う。 撥水効果はあるが、撥油性は基本的にない。 

🌿 シリコーン系加工 シリコンオイルを使用して撥水性を付与。 安全性が高く、人体や環境への影響が少ない。 柔らかい風合いが出せるのも特徴。 

🌿 ワックス・植物性オイル系処理 ビーワックス(蜜蝋)やひまし油などの天然成分を活用。 エコ志向のアウトドアブランドで使われていることも。 


 🔁 使用例(PFASフリー素材が使われている製品) 

エコアウトドアブランドのレインウェア キッズ用品(健康や安全に配慮)

サステナブルファッション向けの撥水ブルゾンやバッグ 

 ホテルや医療施設向けの環境対応カーテンや寝具 



🧪 撥水性能の評価方法(共通) 

🔹 スプレー法(JIS L 1092) 

これは最もよく使われる試験法で、日本工業規格(JIS)に基づいた方法です。 生地に水をスプレーし、表面に残る水滴の状態によってランクを評価します。 

※新品時に「4級〜5級」が高性能とされています。 洗濯10回後も「3級以上」を維持できれば、**耐久撥水性あり(DWR)**と評価されることが多いです。


🌿 C0タイプの傾向(PFASフリー) 

PFASを使っていない「C0タイプ」は、従来のPFAS含有(C6やC8)に比べると

▶新品時:4〜5級の撥水性 

▶洗濯5〜10回後:3級前後まで低下することが多い

つまり、「撥水力はあるが、長期間の耐久性はやや劣る」傾向にあります。 

 ただし、近年では改良が進み、「C0でも洗濯10回後に3級を保つ」高性能な製品も増えてきました。


まとめると以下となります。


 

 ✨ PFASフリーでも高機能 

最近では技術も進化しており、PFASを使わずに従来の撥水性能に近づけた商品も増えています。 

 例として「耐久撥水(DWR)C0タイプ」と呼ばれる加工は、洗濯にもある程度耐えられるレベルになってきています。


✅ どんな条件が「高性能」か? 

PFASフリーでも以下の性能を満たしていれば、高性能とされています

☘️おまけ

「C0」「C6」「C8」の" C "って何?

「C0(シーゼロ)」などの" C "は、フッ素化合物の炭素(Carbon)鎖の長さを意味しています。

これは、撥水加工に使われる有機フッ素化合物の「炭素数」を表しています。



⭕️ ApparelXに掲載されているPFASフリー生地 

ApparelX では、PFAS フリー生地に関するお問い合わせをいただくことが増えてきました。

"PFAS フリー生地"をより簡単に検索できるように、「PFAS-FREE」というコレクションタグを作成し、表示しています。

このコレクションにはメーカーからPFASフリーの確認がとれた商品を随時追加しております。

メーカーが PFAS バージョンの在庫を売り切り、PFAS フリーの在庫に完全に切り替えた場合、既存の生地もコレクションに追加されます。 

 ※現在、在庫状況/色/生産ロットによっては部分的に PFAS フリー生地に移行していることもありますが、その場合はPFAS フリー コレクションにはまだ含まれておりませんのでご了承下さい。

 


PFASフリー生地は、商品名や仕様欄に「C0撥水加工」と記載されています。 

ご不明点がある場合 、生地に「C6」や「C0」の表示がない場合は、メーカーに確認に確認しご連絡させて頂きますので各商品ページの【カートに入れる】ボタン下のリンクからお気軽にお問い合わせください。

※アメリカのカリフォルニア州やニューヨーク州に配送予定の方は、PFASを含む生地の注文に制限がある可能性がありますので、購入前に該当する州の法律や規制をご確認ください。


PFASフリー生地の一覧は、以下のリンクよりご覧いただけます。 

▶︎ PFASフリー生地一



🔴まとめ

いかがでしたでしょうか。PFASについて、少し身近に感じていただけたのではないかと思います。

繊維業界でも環境や健康への配慮がますます重要視されるなか、私たち一人ひとりが素材選びに目を向けることが求められています。機能性と環境配慮のバランスを取るのは簡単ではありませんが、「選ぶこと」が未来を変えていく一歩です。

PFASの規制や代替素材の動きは、繊維業界にとって大きな転換点でもあります。 環境に配慮しつつ、機能性も両立できるPFASフリー生地の活用は、これからの製品づくりに欠かせない選択肢となっていくでしょう。

今後もアパレルブランド様のより安心・安全なものづくりを支え、信頼できる情報と商品をお届けしてまいります。


ApparelXでは今回ご紹介して資材の他にも多種多様な商品をお取り扱いしております。 併せてぜひご覧下さい。

  

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