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2025/3/17

職人と手仕事が生む独自の生地を扱う「小松和テキスタイル」とは?

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こんにちは。 

ApparelXトレンドブログのmammyです。

今回はかなり独自性の高い生地を扱う「小松和テキスタイル」さんをご紹介いたします。


小松和テキスタイルとは?

小松和テキスタイルは1954年創業、東京・日本橋に本社を構える老舗生地問屋です。

生地を卸すだけでなく、自社で生地(布地)の企画開発・販売を行なっています。

その生地の企画開発がかなり特色があり、染工場がわかるようなブランドをいくつか展開しています。

(次項で詳しく説明します。)

生機も糸から厳選し、染工場さんと直接取り組みを行い、協力して生地を作っています。

では実際にどの様な種類の生地があるのかご紹介して行きたいと思います。


東炊き(東京)

東炊きは東京の”東(あずま)”と”炊き込み”を組み合わせた造語です。

東京のスカイツリーのお膝元にある染工場で生産されています。

江戸時代に行われていた織り上がった生地を小さな五右衛門風呂に入れ、草木から抽出した色を混ぜてじっくりと煮て染める「釜入れ」という染色方法を現代に蘇らせたものです。

東炊きの最大の特徴は通常よりも小さい釜で染めることです。

それにより生地と生地とがよく揉まれ釜の壁にぶつかることを繰り返します。
このことで芯が抜けて柔らかく、くったりとした風合いが生まれます。


実際に東炊きのタイプライター生地を触らせてもらいました。タイプライターは本来目が詰まっていてハリ感がある生地なのですが、東炊きの加工を施すと驚くほどくったりとしていて、何度も洗ったかの様な柔らかい質感になっていました。


東炊きのシリーズはチェックやカラーがきれいなものが多いのでレディース製品におすすめです。


AZUMADAKI-91 すてきなおとなのたーたん! 東炊き加工


リネン100%ながらも東炊きの加工を施すことで柔らかさと自然な膨らみ感を実現。
ナチュラルなシワ感も特徴です。


AZUMADAKI-130 アンティーク フレンチリネン


色合いがキレイなフレンチリネンです。
どれも深みのあるカラーで素敵なのですが個人的には3スカイブルーがやや緑みがかった色でかなり推しです。


AZUMADAKI-143 東炊きひょうたん島 アンティークキルト

40番手の2枚重ねの生地に連続したひょうたん型の ステッチが入ったキルティング生地です。

重なった生地と生地の間には綿が入っていないため、厚みが出すぎずアウターなどにもおすすめです。


琴平炊き(香川)

瀬戸内のきれいな海、日本一小さな山「御山」がある町で琴平炊きの生地は生まれています。
もともと手袋の生産地で、ニットの糸の染から始まった染工場です。
広島・岡山のワークウェア産地に近い土地柄もあり、ボトム地などの硬さを残しているしっかりした生地を得意としています。

アウターやボトムス向けです。


KOTOHIRADAKI-20 アンティークキルト ダイヤマン 

リネン/コットン生地のアンテーク調キルトです。 

何度も洗ったかの様なシワ感・風合いが特徴です。

アウターなどにおすすめです。


KOTOHIRADAKI-31 アンティーク ぷわっぷわっこ〜る ぷわっぷわっ 琴平炊き加工



コットン素材のコーデュロイ生地です。 

琴平炊きの加工を施すことでユーズド感がありこなれた風合いのコーデュロイの生地となっています。

ジャケットやアウター、ボトムスなどにおすすめです。


KOTOHIRADAKI-37 りねんわんぴっぴ〜 オールドヴィンテージ加工

ヴィンテージ調のコットン/リネン生地です。

落ち着いた渋めのカラー展開が豊富です。

しっかりとしている生地なのでジャケットなどのアウターにおすすめです。


織姫炊き(栃木)

江戸時代から絹・絹染・銘仙で知られる足利・織姫神社がある地に染工場があります。

もともとは絹糸の染からスタートした染工場です。

先にご紹介した東炊きと琴平炊きのちょうど中間くらいの生地の風合いを得意としています。


ORIHIMEDAKI-4 40/ 高密度 ダンプルーフ 織姫炊き加工


高密度で程よいハリ感があるダンプルーフ生地です。

アースカラーの落ち着いたカラートーンがメンズ・レディース問わずお使い頂けます。


桐七炊き(群馬)

関東平野の北部群馬県の東端、栃木県との県境に位置する桐生。七つの織物技術・伝統的工芸品の地からこの桐七炊きの名前の由来です。

この地に100年以上前から染色一筋に当初は、着物の帯地の糊抜き・湯のしなどの最終工程をしながら、古き良き時代と共に共存共栄し染色や色の知識・技術を生かして参りました。 代々受け継がれる職人の技と技術と熱意・思いが伝わる染色方法で桐七炊きが誕生しました。


メンズライクのものが得意でデニムなどの中肉感のものを中心に生産をしています。

高圧の機械があり、3交代制で24時間生産しているそうです。


KINANADAKI-12 桐七炊き12 ぬくもりきもう オールドビンテージ加工

 


KINANADAKI-57 桐七炊き57 ぬくもりきもう オールドビンテージ加工


しっかりとした厚みがあり、表面が起毛しているので、秋冬のジャケットやアウターにおすすめです。


生地のご使用時の注意点

・職人さんの手仕事が中心の生地が多いため、生地の生産には納期がかなりかかります。

サンプル作成〜量産までは予め納期に余裕を持って頂く様にお願いします。


・生地の歪みがあるので裁断が難しいと言われることがたまにあるそうです。

洗濯機の様な機械で生地を染めたりしているので、シワが強く出たりします。 裁断の際はご注意をいただければと思います。


・ ロットによってブレが大きい生地が多いです。
量産時は1ロットからの裁断をお願いいたします。


・天然素材を中心に扱っている亜麻色(生成り)天然の色を糸にしているので色が安定しないそうです。

取れる時期によって黒くなったり亜麻色などになったりするそうなので天然の色ということをご理解いただければと思います。

  

最後に

日本各地の染工場さんとタッグを組み、独自の生地を開発している小松和テキスタイル。

実際に社員の方にお話を伺ったのですが縮小化していく日本の染工場・ジャパンクオリティを盛り上げて行きたいという熱意もひしひしと感じました。


今回ご紹介した以外の商品もApparelXではお取り扱いしています。

小松和テキスタイルの生地はこちらから。



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